日本語教師に必要なスキルシリーズ、今回は「コミュニケーション能力」です。
人と話すのが仕事。ましてや言葉を教える日本語教師は出来て当たり前?と思いますが、意外に見落としがちなポイントもあるんです。
またコミュニケーションといっても、状況や相手も様々。
そこで、日本語教師に必要なスキルをまとめてみました。
目次
「コミュニケーション能力」とは?
定義
コミュニケーションとは「気持ちや意見を言葉などを通じて相手に伝えること。通じ合い。」を指します。色んな人と上手に話し、通じ合うことのできる人が「コミュ力の高い人」と呼ばれたりしますよね。
しかし「コミュニケーション能力」と調べると、本当に様々な定義がありました。
そこで今回は「様々な人と良好な関係を築ける力」を一つの定義としたいと思います。
「コミュニケーション能力」の具体例
では、コミュニケーションが取れていない例を見てみましょう。
上司
部下
部下
部下
翌日、出社した上司は仕事が終わっていない部下を怒ります。
上司の言い分は
「なんで終わっていないの?」「わからないことがあるなら聞けばいいのに」
部下の言い分は
「上司は終わりそう?と確認してくれない」「聞く前に帰ってしまったのは上司なのに」
これがよくあるコミュニケーションの取れていないケースです。
日本語教師における「コミュニケーション能力」
日本語教師の「コミュニケーション」が必要な場面
では、実際の日本語教師を取り巻く環境では
どんなコミュニケーションが必要になってくるでしょうか?
- 教室での生徒とのやり取り
- 保護者への報告(子どもに教える場合)
- 同じ組織で働く同僚との会話
どの職場で働いても、最も多いのは生徒との会話です。
生徒とのやり取りで一番気をつけたいのが、先程の上司と部下の例。
特に「先生が上、生徒が下」「先生が教える、生徒は聞く」といった状況ができやすい関係でもあり、「生徒の話をきちんと聞く」「生徒が今何を知りたいのか話を聞き、伝える」といった工夫がおろそかになりがちです。
また、保護者の方に生徒の様子を伝える場面もあるかもしれません。
そこでも「保護者の方が何を知りたいか」を考えながら伝えるのがポイントです。
もちろん、最低限教師が伝えなければならないこともあります。しかし一番は保護者の方が安心して生徒を通わせることが出来ること。
不安に思っていること、最近の悩みなどに寄り添って話すことも大切です。
そして同僚とのコミュニケーションも忘れずにいたいもの。
普段の授業は一人で行うことが多いですが、一緒に行事を行う場面もあるかもしれません。また仕事は同じでなくとも、同じオフィスを使ったり共有スペースがあることも。
同じ日本語教師としてお互いの状況を報告し合いながら、ともに楽しく仕事をしていく環境づくりもしていきたいものです。
「良好なコミュニケーション」が現場に与える効果
良好なコミュニケーションが周囲に与える影響は様々です。
- 信頼関係を築くことでみんなが楽しく仕事できる
- 生徒の授業態度が意欲的になる
- コミュケーションを通して、多くの気付きが生まれる
良好なコミュニケーションが取れている職場では、誰もが楽しく働くことができます。
また生徒と教師の良い関係によって、学習効果も変わってきます。
自分自身の学生時代を振り返ってみても、同じことが言えました。
例えば、尊敬していた先生の科目の成績はとても良い。一方で、好きではない先生の授業は受けたくなくなってしまい、その科目自体も嫌いになってしまったこともあります。
自分が先生になったときには、日本語を楽しく学んでもらいたいですよね。
またコミュニケーションを取ることは相手のためだけではありません。
人と会話するからこそ、自分の気付きも増えていきます。
コミュニケーション能力を高めるポイントは「相手をよく見ること」。
伝え方、聞き方、言葉の選び方などいろんなスキルがあります。
しかしどんなスキルを持っていても「相手にあったコミュニケーション方法」を知らない限り、十分な効果を得ることは出来ません。
相手のよく話していることや表情、いつもと少し違った行動などがコミュニケーションを取るときのヒントになります。日頃から相手をよく見ている人は、人とすぐに関係を築いている気がします。
まとめ
「自分では優しく伝えたつもりだったけど、厳しかったんだな」
「わかってくれてると思ったら、伝わってなかった」
「ありがとうと言っただけで、こんなに喜んでもらえた」
良くも悪くも自分のことはなかなか気づけないもの。
それを教えてくれるのが人とのコミュニケーションです。
皆さんも自分のためにも、生徒のためにも
コミュニケーション能力を高めていきましょう。