数年後には国家資格へと制定予定、在日外国人の増加等、年々日本語教師のニーズや関心は高まっています。
日本語教師として働いてみたいけど、どのような場所でどのような働き方ができるのがイメージができないといった方々も多いのではないでしょうか。この記事では日本語教師としての働き方をいくつか紹介したいと思います。
目次
国内・国外でも働ける日本語教師
日本語学習者は全世界で約380万人いるとのアンケート調査結果があります(2018年 国際交流基金のアンケート調査より)。
日本にも留学生や技能実習生をはじめとしたビジネスパーソン、配偶者そしてその子ども等、在日外国人の人口が年々増加傾向です。
国土交通省が算出しているデータによると「2065年には8人に一人が外国人」というデータもあります。
上記の通り、日本語教育は日本国内にとどまらず海外でも需要があることがわかります。
国内で働く
- 日本語学校(法務省告示の日本語教育機関は約750校)
- 小・中・高等学校、大学、インターナショナルスクール
- 技能実習生の日本語教育機関
- 外資系企業等での日本語レッスン
- オンラインレッスン
- 地域のボランティア
国外で働く
- 日本語学校、日本語教室
- 現地の小・中・高等学校・大学
- 技能実習生の送り出し期間
- JICA等による派遣プログラム
出社、在宅ワーク等働く環境も多様化
教育の現場ではオンライン完結が現実的に難しいことが多く、今までは学校に出社して授業をするのが当たり前の時代でした。
そんな当たり前の時代に新型コロナウイルスの感染に脅かされ、留学生は日本に入国すること自体できなくなりました。そこで様々な教育機関が導入せざるを得なくなったオンラインでの授業環境。
コロナが蔓延し始めて早くも2年が経過しますが、感染状況は2年前とあまり変わらず入国の制限もかかったままです。
日本語学校の授業もオンライン授業を実施しています。入国ができている学生は学校に登校しますが、入国待ちの学生はオンラインで授業に参加するというハイブリッドの授業です。
このような状況からオンラインレッスンのニーズも高まる一方です。自宅やテレワークスペース等、場所・時間問わず働けるのがオンラインレッスンの特徴です。副業OKとなった企業も多くダブルワークとして働く人、子育てや介護の合間に自宅で働く人等、働く側にとっても自由度が高いです。
週5フルタイム出社 or 週1~2勤務
日本語教師として働く場合、勤務時間や業務内容、給与形態はどのようになっているのでしょうか。
常勤講師
- 勤務形態:週5日8時間勤務等のフルタイム出社
- 業務内容:授業、学生の進路・就職相談・生活指導、イベントの企画運営、SNS更新、人材育成等多岐にわたる
- 給与:20~25万円程度(月給)
非常勤講師
- 勤務形態:週1午前中のみ等、ライフスタイルに応じる
- 業務内容:授業中心
- 給与:1コマ(約45分授業)1,700円~
未経験のうちは授業準備だけで手一杯になることが多く、まずは非常勤講師からスタートすることが多いです。慣れてくればコマ数を増やすか学校を掛け持ちするか等で業務量を増やしていきます。そして2年後等に常勤講師へとステップアップされる方が多いです。
主婦の方等は働ける時間に制限があることにより、非常勤講師を長く続ける先生もいます。特に女性は結婚や出産、介護等人生のライフステージに応じて環境が変わることが多く、日本語教師のように働き方の環境を変えられること・在宅ワークでも働けるような環境であれば長い目で見ても働きやすい環境が整っているのではないでしょうか。
具体的な業務内容は?
授業関連
- 教案、イラストカード・フラッシュカード等の教材作りによる授業の事前準備
- 宿題やテスト作成、採点業務
- 後輩の授業指導
- 横並びの先生同士での連絡・共有、勉強会の参加
学生の指導面
- 生活指導:授業の出欠管理、交通・生活マナー指導、住居やアルバイト等の紹介
- 進路指導:専門学校や大学等の進路相談含め、論文の添削や面接の指導も行う
- 就職相談:履歴書の添削、面接の指導等
- その他:ビザ発行業務、携帯電話の契約や銀行口座の開設を手伝うことも
教材作成、プログラムの開発、イベント運営、SNS等
- 授業で使用する教材の作成
- 外部機関と協同しての新プロジェクト
- 季節ごとのイベントの企画・運営(下見、学生への案内、当日の引率、アンケートの実施等)
- SNS更新作業(動画の撮影や編集作業等)
業務内容は学校の規模(従業員の人数)にもよって、任される業務量は異なります。ただ上記のように多岐にわたる業務があり、未経験の内にあれもこれも対応していくのは、タスク管理をしっかりできないとキャパオーバーになってしまいます。就職活動をする際は、まず常勤講師か非常勤講師として働くのか、業務内容はどのようになっているのかを確認しておくことをお勧めします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ネイティブスピーカーである日本語話者の私たちですが、日本語教師という働き方がいかに働きやすい環境でニーズが高い職業であるということが伝わりましたでしょうか。
企業でも外国人従業員数は年々増えています。英語や中国語を話せるスタッフは多くても日本語を正確に教えられるスタッフはまだまだ少ないのが現状です。ぜひマルチに働ける日本語教師を人生の選択肢として検討してみてください。