平成30年度日本語教育能力検定試験が昨年10月28日に終了しました。
結果は応募・受験者数、合格者数ともに増加傾向にあり、合格率も上がっていました。
そこで、今回の試験結果の分析・今後の展望を書いていきたいと思います。
日本語教師を目指すなら試験を受けておいて損はないかもしれません。
目次
平成30年度日本語教育能力検定試験の結果は?
日本語教育能力検定試験の結果は、公式HPにて公開されています。
5つの項目に分けて詳細が記載されているので、項目別に前年との比較をしてみました。
1.受験者・合格者数
- 応募者数:8,586名(7,331)
- 受験者数:6,841名(5,767)
- 合格者数:1,937名(1,463)
※日本語教育能力検定試験 実施状況より抜粋。()内:前年
前年と比較してみると、受験者数は1,000名以上の増加・合格者は500名弱増の結果となりました。
3年前の試験では受験者数が5,000人台だったことを考えると、最近は年々受験者が増えているようですね。
2.男女比
男女別の受験者数を見てみましょう。
- 女性:4,833名(4,127)
- 男性:1,968名(1,606)
※日本語教育能力検定試験 公式HPより抜粋()内:前年
男女ともに全科目受験者数は増加しています。男女比は男3:女7で、前年と比較してもさほど変化はありませんでした。
3.年代別
- 60才~:1,094名(816 )
- 50~59:1,690名(1,310)
- 40~49:1,417名(1,209)
- 30~39:1,129名(1,030)
- 20~29:1,425名(1,332 )
- ~20才:46名(36 )
※日本語教育能力検定試験 公式HPより抜粋()内:前年
40代以上の受験者が大幅に増えていることがわかりますね。
子育てが一段落して新しいキャリアを築く女性や、長年働いていた職場をリタイアしての挑戦が多いのかもしれません。
4.受験回数
初受験者の増加もありますが、再受験者が増えている傾向にあります。
一度試験で不合格だった方も、近年の外国人労働者の積極的な受け入れなどを考慮し、再チャレンジしようと考えている可能性もありますね。
5.職業別
- 会社員・公務員・自営業等,:2,376 名(35%)
- 主婦/主夫,:968名 (14%)
- 日本語教員(非常勤):759 名( 11%)
※日本語教育能力検定試験 公式HPより抜粋
職業別の受験者数の内訳です。上位に入った職業を抜粋しました。
最も多いのは会社員等で35%、非常勤の日本語教員は11%受験しています。
日本語教員を常勤・非常勤・個人教授を合わせると16%となります。
1/3以上の受験者が会社員・公務員・自営業と言えますね。
試験結果から見る日本語教師の今後は?
今回の試験結果を踏まえ、今後の試験や日本語教師の需要について予想してみました。
試験を検討されている方は、今が受験にベストな時期かもしれません!
合格者の増加は外国人受け入れを考慮?
合格者が多かった今年の試験ですが、合格率の高さも特徴的でした。
2018年度の合格率は28.3%で、前年は25.4%と約3%上がっています。
以前ご紹介した骨太の方針では、日本は外国人の受け入れを積極的に行う方向であり、それを考慮しての合格率とも予測できます。
来年も受験者増の可能性も
ここ数年、受験者の増加が見られています。
今後、日本で働く外国人労働者が増えることで国内の日本語学習者数も増えることが予想されるため、日本語教師の需要は同様に高まることでしょう。
特に、これまでは受け入れの少なかった業種の受け入れ体制が整えば、業種に特化した専門的な日本語の知識が必要となり、会社側も有資格者を求める可能性が高いですよね。
今が受験にオススメの時期!
試験結果や日本の状況に鑑みると、このようにまとめられます。
- 試験合格率が高い
- 日本に住む外国人が増える
- 日本語教師の需要がある
今から日本語教師を目指す方や資格が420時間講座の修了のみという方は、今が検定試験受験にオススメの時期ですね。
合格率は20%台と比較的難易度の高い試験ですし、試験対策には結構な時間がかかるもの。日本語教師の需要が高まってから試験対策を始めるのでは少し遅いかもしれません。
2020年度の試験は2020年10月25日です。
6月下旬より出願開始となるので、気になる方は受験を検討してみてはいかがでしょうか。