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独学で日本語教師になれる? ~日本語教育能力検定試験~

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独学で日本語教師になれる? ~日本語教育能力検定試験~

日本語教師になるには、色んな方法があるのを知っていますか?

その方法とは「日本語教育課程を修了(大学など)」「日本語教師養成講座420時間コースを修了」「日本語教育能力検定試験に合格」の主に3つです。

今回はその中でも気になる「日本語教育能力検定試験」についてです。

「試験に受かれば日本語教師。なんだか簡単そう!」「でも合格率低いって聞いたけど、独学可能?」など、試験を受ける前に感じた自分の疑問を、体験談も踏まえ書いてみたいと思います。

ちなみに今回は試験についての概要は書いていません。
試験日や出題範囲などが気になる方は公式HPをご覧下さい♪

気になる受験者は?

いざ受けてみようと思っても、試験を受けるのが自分に合っているのか気になりますよね。そこで、これまでの受験者や受験に向いている人の特徴を簡単にまとめてみました。

私は試験を受けてみましたが、全員が「絶対試験に合格するほうが良い!」というわけではありません。もしかすると、日本語教師養成講座を受けたり大学で学ぶことが合っている可能性もあります。
まずはこの記事を読んで「講座や大学に通うより自分に合ってるかも」と思ったら、受験を検討するのも良いかもしれませんね。

実際に受けている人は?

平成29年度の受験者で多かった層は、こんな感じでした。

  • 性別:女性
  • 年齢:50代以上(2,000人以上)
  • 職業:会社員・公務員・自営業(3分の1)
全受験者数は5,767名。合格者は1,463名で、合格率25%程度。

私が意外だったことの1つは年齢です。大学卒業や数年の社会人経験を積んで受験する人が多いと思っていましたが、約30年の社会人生活が一段落し、キャリアチェンジを考える方のほうが多いのかもしれません。

また、家族のいる方であればお子さんは20~30代になり自分の時間が増えたという方もいるのかもしれませんね。

もう1つは職業で「日本語教師(常勤・非常勤)」が約15%いたことです。日本語教師をしながら、試験を受ける方もいるんですね。

試験に向いてる人

これから試験を受けるならこんな人にオススメしたいです。

  • 年齢:30代~
  • 職業:会社員・公務員・自営業
  • 高校・大学受験など独学経験のある人
  • 出来るだけお金をかけずに日本語教師になりたい人
※年齢はあくまで参考です。

冒頭に書いた日本語教師になる3つの方法のうち「試験で合格する」ことが良いと思う人たちをあげました。

というのはこれから大学を決める高校生であれば、日本語教育を学べる大学を選択することで試験を受けるのは急ぐ必要はありません
また時間に余裕がある方や一人で勉強するのが向いていない、という人は講座に通うことをおすすめします。

あとはやはり「費用面」でしょうか。大学・講座となると数十万円はかかるのに対し、試験合格を目指し独学となるとかかるコストは全然違います。
受験料+教材費でも、5万円以下で合格する可能性も十分にありますよね。

独学で合格できる?

合格可能!その理由とは?

しかし、いくらコストがかからないと言っても不合格の場合、また試験料がかかるのは当然のこと。実際、独学で一発合格するのは難しいものなのでしょうか?

これは結論から言って「独学&試験合格は十分可能」です。

もちろん個人の今持っているスキルによって学習時間や準備期間は変わってきますが、一般的な大学卒業レベルの方であれば一人で勉強できない、というほど難しい試験ではありません。

なぜこう断言できるのかというと、実際に試験を受けたからです。

結果はC判定(上位50%)のため全く説得力がありません(ちなみにC判定は不合格です笑)が、感触としては「きちんと勉強すれば講座には通わずに済むな」という感じでした。

私の場合、当時は会社員で他の勉強(TOEIC・小学校教育認定試験)も併行していたので、平均学習時間は月15時間・準備期間2~3ヶ月という無謀な挑戦でした。それでもC判定が取れたので、この試験1本で勉強すれば合格は全く難しくはないと思います。

ただし、将来を見越して判断を

ここまでで「独学で受かるなら試験受けよう」と思われた方に、これだけは伝えておきたいことをまとめました。

  • 将来働く会社・学校・機関の「採用基準」をチェックしよう
  • 「実技スキル」は必須
  • 求人・指導案・教材作成の情報収集を怠らない

採用基準については受け入れ先によって様々です。特に「420時間修了が必須」という学校も少なくありませんし、実務経験が必要な場合もあります。「せっかく合格したのに講座を受ける必要があったなんて・・・」と試験後にがっかり。これは避けたいところですよね。

また試験はあくまで試験なので、実際に教える経験を積む必要はあります。私の場合だと、大学での教育実習の経験があるので試験に受かれば教授法は働きながら身につけようと判断できました。しかし、人に教えた経験がない場合はボランティアを経験するなど何か対策が必要になってきます。

また大学や講座受講のメリットは情報が常に入ること。求人情報が学校経由で得られたり、講座内で他の人の授業を見る経験も出来ます。独学は自分の時間で学習できますが、情報収集も自分で積極的に行う必要があります。

いかがでしたか?「日本語教育能力検定試験」を知らなかった方は一度調べてみるのもよいかもしれません。
日本語教師になるひとつの選択肢として、参考にしてもらえると嬉しいです。