先輩の日本語教師が教材作成について、よくこんなことを話しています。
「日本語教師は教材準備も自分でやらなきゃいけない」
「外国人相手だと、なかなか言葉だけじゃ伝わらないんだよね」
そんなときに使用されるのが絵カード。
先生の言うことが伝わらなかったり、言葉だけでは実際の場面をリアルに想像できないことも多く、絵カードが役立つ場面も多いものです。
「でも、絵カードってどうやって作るの?」
市販の教材を使用している人もいますが自分で作成している人もいます。
そこで今回は絵カードの作り方について調べてみました。
目次
アナログ派の絵カードの作り方って?
絵カードを作ろうと思ったら、「自分で描く派」「あるものを使用する派」に分かれます。
まずは自作の絵カードを作る場合を見てみましょう!
アナログ教材作成に必要なもの・スキル
- 紙・ペン
- デザイン力
- 絵のセンス
当たり前ですが、まずはカードを作成するための描く道具が必要です。
基本的にはマーカーで絵を描いて、色ペンや色鉛筆でキレイに色をつけている人もいます。
またデザインや絵のセンスもないと難しいですよね。描ける人にとっては当たり前でも、私のような絵のセンスが全くない人間からすれば、男の人と女の人の顔を描き分けるのも一苦労です。
アナログ教材のメリット
毎回自分で描くなんて大変じゃないかな?と思う方も多いと思います。
でも、アナログのメリットにはこんな良いところもありました。
- 自分の描きたいものが描ける
- 描くこと自体が楽しい
- 授業に合った教材が使える
絵を描くのが得意な人にとっては「自分で描いてしまった方が良い」という人もいます。特に、デジタル派でテンプレートを使用しようと思うと、まずは授業に合ったものを探さなくてはいけません。
でも、なかなか自分好みのものが見つかるまで時間がかかったりもします。
そのため、ささっと自分で描けてしまった方が楽だし自分の授業に合うものが作れるという意見もありました。
アナログ教材のデメリット
一方で、もちろんデメリットもあります。
- 持ち運びが大変
- 描くのに時間がかかる
- 描けない人は描けない
一つ目の理由は、絵が得意・苦手に関わらず共通のポイントです。
自分で描いた紙は授業に持っていかなくてはいけません。デジタル派の場合は、学校にあるPCでデータを探して印刷するだけで持ち運びの必要はなし。
比較すると荷物が増えるというデメリットはあります。
また絵が苦手な人にとっては、描く方が圧倒的に時間がかかります。
「朝起きるシーンを描きたい」と思っても、人が起きてあくびをしている顔、ベッドに横たわっている姿を人に伝わる画力で描くのは私には難しく感じます。
デジタル派の絵カードの作り方って?
そんな絵が苦手な方に人気なのがデジタル教材の活用。
もちろん必要なものやスキルはありますが、慣れてしまえば教材作成が楽になったという人もいます。
デジタル教材作成に必要なもの・スキル
- パソコンやスマホ
- インターネット環境
- パソコンのスキル
まずはデジタル教材を探すためのパソコンとネット環境ですね。ただ、自宅や授業準備でデータを事前にダウンロードしておけば、USBひとつ持っていくだけで簡単に印刷することもできます。
またある程度のパソコンスキルは必要。テンプレートのあるサイトを検索したり、ダウンロードして保存するといった操作には慣れる必要があります。
デジタル教材のメリット
デジタル教材のメリットは効率化にありました。
- データ管理が楽
- 絵が苦手な人は描かなくてOK
- すぐに使用可能
教材の管理が簡単なのがデジタル教材の一番の魅力です。例えばアナログの場合、200枚の絵カードがあれば自分の使いたい教材をそこから探すのに何分かかるでしょうか?
デジタル教材であれば、タイトルをつけてデータを管理しておけば名前を検索して数秒で探すことができます。
また絵の苦手な人にはデジタルが絶対オススメです。一生懸命描いても時間がかかりすぎたり、生徒に全然わかってもらえない・・・そんな悲しい思いをする前に自分に合ったイラストを検索してしまいましょう。
デジタル教材のデメリット
一見アナログ教材よりもメリットの多そうなデジタル教材ですが、デメリットもあります。
- オリジナリティがなくつまらない
- 探す方が時間がかかる人も
- 海外ボランティアは使用不可の可能性も
授業で使う教材のため、やっぱり生徒にとって魅力のある教材を使いたいもの。手作り感が生徒の興味を引く場合もあります。
また人によっては色んな情報がありすぎて探すほうが苦労する人もいるんですよね。
あとは意外な落とし穴。日本ではデジタル教材でいいかなと思っていても、海外ボランティアで途上国に派遣された場合、そうはいきません。インターネット環境がなかったり、そもそも印刷する機械がない場合も多いです。
そう考えると、人によってはある程度絵を描く練習は必要かもしれないなと感じますね。