日本語教師に必要なスキルシリーズ、今回は「マネジメント力」です。
「マネジメントと言っても、日本語教師は大勢の部下がいるわけでもないし・・・」
もしかすると、こんな風に思われる方もいるかもしれません。
でも実際に教えてみると、様々な場面でマネジメント力が必要になることがわかりました。
そこで、日本語教師に必要となってくるマネジメント力について、まとめてみましたよ。
「マネジメント力」とは?
定義
マネジメント力とは、「経営・管理する力」を指します。
「Management」の和訳を調べてみると「操縦」という意味もあるそうです。
日本語教師で言えば、会社の経営というよりは授業のマネジメントなどが必要になってきますね。
「生徒の理解度と授業内容は合っているか」「生徒の健康状態はどうか」など、日々の教師としての業務が自然とマネジメントに必要な項目になっている場合もあります。
「マネジメント力」の具体例
では、マネジメント力がある教師とない教師の具体例を見てみましょう。
ある学校の行事で、遠足について説明を行っています。
【マネジメント力なし】の場合
まずは、教師にマネジメント力がない場合です。
教師A
生徒たち
このように生徒をうまくマネジメントできていないと、学級のまとまりがなくなってしまいます。
教師が困ることはもちろん、他の行事に遅れが出ることもありますね。
【マネジメント力あり】の場合
では、教師にマネジメント力がある場合はどうでしょうか。
教師B
生徒たち
教師が「大切な話をする」「静かに聞いて欲しい」と最初にアナウンスしています。
その結果、生徒たちは「今なにをするべきか」をすぐに把握できました。
もちろん、現場ではこのようにスムーズにいくことばかりではないはず。
ですがマネジメント力がない場合と比べると、生徒たちの行動も変わってくることがわかりますよね。
日本語教師における「マネジメント力」
日本語教師の「マネジメント力」が必要な場面
では、日本語教師はどのような場面でマネジメント力が必要になるでしょうか。
- 日本語の授業内
- 学校行事・イベント
- 学級運営
日本語教師は、働く学校・企業によって求められるマネジメント力が変わってきます。
授業のみを受け持つ非常勤講師などは、授業で使う場合が多いでしょう。
また、日本語学校の常勤講師などは学校全体のイベント運営や生徒管理が必要となってくる可能性もあります。
日本語教師の就職先の形態は幅広いため、総合的なマネジメント力を身に付けておく必要がありそうです。
「マネジメント力」を育てるポイント
日本語教師の「マネジメント力」の身につけ方は、以下の3つを意識してみることをおすすめします。
- 目的と結果を明確にする
- 予測する力を身につける
- PDCAサイクルを学ぶ
それぞれ順に見ていきましょう。
1.目的と結果を明確にする
まずは、物事の目的と結果を明確にすることが大切です。
先程の遠足の例で言えば、先生の話す目的は「生徒たちに正しい情報を伝える」ことです。
そしてその結果、「生徒たちが安全に遠足を終えることができる」ことになりますよね。
これが曖昧なまま集団を管理しようとしても、多くの人は何をしていいかわからなくなってしまい、学級がまとまることはありません。
2.予測する力を身につける
また、予測する力をつけることも重要です。
「生徒は話を聞かずに騒ぐのではないか」など、事前に起こりそうなハプニングを想定しておけば、実際に問題がおきたときにも、冷静に生徒たちをまとめることが出来ます。
3.PDCAサイクルを学ぶ
「自分ではどうやっても難しそう」と感じた方は、PDCAサイクルで物事を考える癖をつけると良いかもしれません。
- Plan:計画
- Do:実行
- Check:評価
- Action:改善
今では様々なマネジメント法や理論が解説された書籍もあるので、気になるものを探してみてくださいね。
また、経験論で言えば1つの方法をある程度継続してみるのがオススメです。
あれこれ色んな手法に手を出して、「結局どれがいいんだろう?」となってしまっては、セルフマネジメント(自分自身をマネジメントすること)できていない状態に。
1つの方法を試してみて改善していくなど、マネジメント力を身につけるときにもPDCAサイクルが使えるかもしれませんね。