皆さんは「今後、日本語教師の資格が変わるかもしれない」ということをご存知でしたか?
日本語教育推進法案の可決や日本語教育小委員会の開催など、日本語教師の新資格についての議論が行われています。
それに対し、国民の中でも様々な意見が飛び交っていました。
「日本語教師資格が国家資格になるかもしれない」
「今よりも厳格な新資格になれば待遇に変化が見られる」
そこで今回は、新資格導入や待遇改善への期待など、国民の意見をまとめてみました。
目次
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新資格に関する動向
まずは、日本語教師の新資格についてのニュースを見てみましょう。
新資格導入へ前進
文化庁は日本語教師などの養成や研修の指針を18年ぶりに改訂した。日本語教師を育てている大学などを対象に養成課程の例を初めて提示。理論と実践をバランス良く学ぶことや教育実習の実施などを求めた。
在留外国人の増加で日本語教育は需要が高まる一方、教師の能力や資質にはばらつきがあるとされ、モデルを示すことで養成課程の質の底上げを図る。
(2019年3月6日日本経済新聞 より)
在留外国人に対する日本語教育の在り方を検討している文化審議会国語分科会は5月17日、日本語教育小委員会を開いた。
日本語教師の資格創設を協議する「日本語教育能力の判定」、国として日本語教育の統一的な標準の策定を目指す「日本語教育の標準」の二つのワーキンググループを設置することを決めた。
(2019年5月20日教育新聞 より)
2019年5月の時点で、すでに新資格創設のために文化庁が動き出していることがわかります。
内容に関しては、理論と実践とのバランスや教育実習の実施に焦点が当てられているようですね。
現行のルールでは、日本語教育能力検定試験の合格のみで資格を取得した場合、一度も教壇に立つことがないまま、日本語教師として働くことも可能。
今後は、それが出来ない可能性が高まりそうですね。
日本語教育推進法案に責務を明記・可決
「日本語教師の待遇を改善したい」と感じる日本語教師が多くても、実際に賃金を上げることは難しいのが現状でした。
しかし、日本語教育の実施が国と地方自治体の責務として明記されたことで今後に期待する声も上がっています。
国と地方自治体に外国人に対する日本語教育に関する施策を実施する責務があると明記した「日本語教育推進法案」が22日、衆院文部科学委員会で全会一致で可決された。衆院本会議を経て参院へ送られ、今国会で成立する見通しとなった。
(2019年5月22日毎日新聞 より)
日本語教育はこれまで文部科学省や外務省、法務省などに所管が細分化され、自治体や民間の日本語学校などが、それぞれの方法で対応してきた。不十分な支援体制に加え、日本語教師の公的な資格すら創設されず、担い手不足も深刻だった。
(2019年5月22日毎日新聞 より)
「日本語教育推進法案」は、外国人の日本語教育を充実する施策の実施は国と地方自治体の責務だと明記しています。
また、日本語教育の水準を向上させるため、国には外国人の子どもを指導する教員の配置や養成に必要な施策や働く外国人への日本語研修などに支援を行うことを求めています。
(2019年5月28日NHK NEWS WEB より)
学校の意見
多くの学校(日本語教師養成講座)は、国家資格化について意見を述べていないようですが、東京中央日本語学院(TCJ)のホームページには新制度に関する記述がありました。
本当に国家資格になるのか?
2019年10月現在、文化庁を中心に話し合いが行われています。ただ、明確な決定事項はまだ何もありません。
日本語教育の需要増加に対応するためには、より質の高い日本語教師を現状よりもハイスピードで輩出する必要があります。そのためにはネックとなっている「待遇」面の改善や、活躍の場(例:小学校や中学校など)の拡張が必要です。これらの背景を考えると、日本語教師資格を国家資格にする新制度の施行は現実味を帯びて来ています。
新制度はいつ施行されるのか?
現状では何とも言えませんが、政府関係者の話し合いのペースを見る限り、新制度は2021年頃までには施行される可能性が高いと考えられています。
現時点では決定事項はないようですが、かなり真っ当な意見が書かれているように感じました。
それなりの文量で記載されているため、フルバージョンで確認されたい方はこちらから。
私の情報網に比べると、養成講座であれば遥かに公式に近い情報を持っているでしょうから、上記の意見はそれなりに説得力のあるものかもしれませんね。
国民の意見
この動きを受け、国民はどのように感じているのでしょうか。
新資格の導入について
既に働いている日本語教師についてはまだわからないよう…#日本語教師
日本語教師 実習義務化へ 新資格取得者 文化審議会方針 実践通じ質向上 : 国際 : 読売新聞オンライン https://t.co/pdiaxT5hL5— ℌ𝔦𝔯𝔬 𝔑𝔞𝔨𝔞 (@hirokonihongo) February 21, 2019
「国として日本語教育の統一的な標準が策定されていない」か。公的な日本語教師の資格が作られるなら好ましいけど、そういう方向に進むのだろうか。
日本語教師の資格創設へWGを設置 日本語教育小委 | 教育新聞 電子版 https://t.co/0XAbPT2ZGk
— 日本語+ (@nobumaro0831) May 21, 2019
日本語教師の新資格、人手不足に拍車がかかる気しかしない。
— さいなつ (@sainatsu_t) November 12, 2018
日本語教師になる方法は、これまでは良く言えば幅広く柔軟な方法がありました。一方、厳しい言い方をすれば学校教師より厳格化されていないといった印象もありますよね。
また、資格の厳格化で人手不足がかえって進むのでは?といった懸念も。
現行ルールで資格取得済の日本語教師の扱いについても気になるところでした。
待遇改善について
新資格導入の動きによって予想されるのは「日本語教師の待遇改善」です。
「公的な資格と認められる=賃金UP」を期待する声も上がっていました。
一方で、資格が厳格化されるだけで待遇改善にまで手は回らないのでは?という意見もありました。
日本語教師として働いている方、これから日本語教師になりたい方などの意見を見ていきましょう。
【待遇改善に不安】
まずは、待遇改善に疑問を持たれている方の意見を見ていきたいと思います。
個人的には、日本語教師の新資格は待遇改善までは繋がらないだろうと思ってます。公的な資格として認められたとして、もしかしたら公立学校などで働けるようになるメリットはあるかもですが。待遇が改善するとしたら法務省による現告示基準の締め付けが厳しくなった時にはじまっているはず。
— な@日本語教師 (@nabeyanJLT) November 25, 2018
入管法改正関連で報道されている日本語教師の資格の公式化と、日本語教育基本法の方で報道されている財政出動が連動していれば、日本語教師の待遇の向上にはつながると思います。でも、この2つのトピックが連動しているのかどうか不安です。#日本語教育#日本語教師#日本語学校
— Yoshifumi Murakami (@Midogonpapa) November 11, 2018
新資格の導入のメリットはある一方、待遇改善との連動を不安視している声も多いですね。
【待遇改善に期待】
続いては、待遇改善への期待の声を集めてみました。
厳格化して➡️専門性が高まり➡️待遇がよくなれば、なり手は増えると思う!!!
待遇悪い(一人暮しも厳しいぐらち)っていう壁にぶち当たって、日本語教師を諦める大学生(日本語教育専攻や副専攻)が沢山いるのはほんっっとうに勿体無いと思う。。 https://t.co/eWOsK33qPu
— かにみそ (@knms2semangat) May 22, 2019
いよいよか!まずは日本語教育能力検定試験を国家資格に格上げしてもらえないかな…。そして日本語教師に人並みの待遇を〜!
外国人の日本語教育「国に責務」 推進基本法案に初明記へ 労働者受け入れ環境を整備(西日本新聞) – Yahoo!ニュース https://t.co/uRk9Gyu1gz @YahooNewsTopics
— かずな (@akimotokazuna) May 28, 2018
【待遇改善に関するその他の意見】
日本語教師の質を高めたいなら、不安定で低報酬な待遇を改善すればいいだけだと思います。余裕ができれば勉強もするし、優秀な人材も入ってくるのに。でも、そのことには目も口も閉じ、ただ精神論で現場の教師をたたくのが日本語教育業界なわけですね。
— orangist7 (@orangist7) September 15, 2017
新資格導入での待遇改善を期待していましたが、こちらは逆転の発想でした。
待遇改善をすることで、優秀な人材を集めると行った考え方です。
確かに、そのような見方もあるかもしれませんね。