「日本語教師って誰でも簡単になれていいよね!」
「外国人労働者も増えるし、給料もアップしそう!」
日本語教師の養成スクールに通う人や、日本語教師を目指して勉強している人の中にも、このようにちょっとした誤解をしてしまっている方がいるように感じます。
そこで今回は、日本語教師に対する誤解や向いていない人の特徴についてまとめました!
この記事を読んで「思っていたよりも日本語教師って難しいかも」と感じるだけでなく、「それでも日本語教師になりたい!」と思ってもらえると嬉しいです。
目次
日本語教師へのよくある誤解
「私、日本語教師を目指しているんだ」と周囲に話したとき、最近よく言われた大きな誤解を3つご紹介します。
【誤解①】未経験でも簡単に教えられるんでしょ?
日本語教師の資格を取得するには、主に3つの方法があります。
- 日本語教師養成講座の420時間修了
- 日本語教育能力検定試験の合格
- 大学での日本語教育専攻
これを見ると、確かに誰でも日本語教師を目指すことが可能ですよね。
しかし、誤解してはいけないのが資格取得=教壇に立てるではないこと。また、教壇に立てる=生徒にわかりやすい授業ができるというわけでもないことです。
資格取得のしやすさは日本語教師の一つのメリットと言えますが、実際に外国人生徒を目の前にして授業をするというのは思っているよりもずっと大変かもしれませんよ。
【誤解②】異文化交流がたくさんできて楽しそう!
日本に外国人が増えたといっても、なかなか外国人と接する機会に恵まれない私たち。そこで、「日本語教師になれば、日本にいながら外国人と関わることができて楽しそう!」と考える人もいるでしょう。
しかし、現実には楽しい異文化交流だけではないことも事実です。
例えば語学を学びにきた生徒からしてみれば、交流というより「言語を学びにきている」と捉えている人もいます。また、一定数ですが「語学学校に通っておけば、日本で働くことができる」と考えており、残念ながら日本語学習が本来の目的ではない生徒もいます。
そんな外国人学習者の現状も把握せず、外国人との授業や異文化交流に対する夢ばかり見ていては危険。日本語教師になってから、現実とのギャップを痛感するでしょう。
【誤解③】これから待遇もよくなるし、収入面も安心!
日本語教師が国家資格となる動きもあり、日本語教師の雇用や待遇について期待感を膨らませている人も少なくありません。
しかし、「絶対に待遇が良くなり、働きやすくなる」と保証されているわけではないことを覚えておきましょう。
私もできるだけ早く日本語教師の待遇が改善されて欲しいですし、多くの日本語教師が働きやすくなれば嬉しいですよね。ですが、確実によくなると期待を大きく持ちすぎてしまうのは危険かもしれません。
日本語教師に向いていない人の特徴
1.コミュニケーション能力が低い/努力する気がない人
日本語教師に最も必要なのは、生徒や同僚の教師とのコミュニケーション能力でしょう。
教師という職業は、一見すると「自分の受け持つ場所で自由に授業ができる」というイメージかもしれませんが周囲と円滑な人間関係を築くことができなくては継続できない仕事です。
特に、生徒は自分と全く異なる文化や価値観を持っていることもあります。「どうしてここまで教えなくてはいけないの?」と思うような、日本人としてのマナーから指導しなくてはいけない場合もあるでしょう。
ただし、コミュニケーションのプロにならなくては働けないというわけではありません。
最低限「自分と考え方や価値観の違う人とも好意的に話をすることができる」「相手の話を聞くことができる」という人であれば、問題なく日々の業務を運営していくことができるはずです。
2.仕事や将来について楽観的すぎる人
また、ポジティブ・楽観的すぎる人も注意が必要です。
もちろん、物事を良い方向に捉えることは時には大切ですし、前向きな言動は生徒にも良い影響を与えますよね。しかし、ポジティブでいるだけでは日本語教師は務まりません。
生徒に対し、時には厳しく叱ったり言いたくないことを伝えたりしなくてはいけないこともあります。そのときに無責任な態度で「きっと何とかなるよ!」「しっかり頑張り続ければ大丈夫!」といった感情論ではどうにもいかないこともありますよね。
自分の仕事や生徒の将来について、時にはシビアに見つめて考えていくことも大切です。
3.自分で考えようとしない人
最後は自分で考えることができるかどうかです。
昔、日本語教師は「稼げない」というイメージが強く、実際に安定した収入を得られている人は少なかったでしょう。しかし、その中で日本語教師を続け、継続的に収入を得ることができたのは間違いなく自分で考えて続けてきた人です。
単に就職先で授業をするだけで、自分から何もアクションをしない人は、この先も日本語教師を続けていくのは厳しいでしょう。
「誰かが日本語教師の処遇を改善してくれるはず」といった、他人任せの考え方ではなく「どうすれば自分に合った働き方ができるだろう?」「日本語教師が今後も楽しく働くことができるには、自分に何ができる?」と考えられるかが大切になってきます。