前回の記事では養成講座の学校選びのポイントとして、以下の3点を中心にご紹介しました。
・文化庁届出受理講座かどうか
・講座以外の付加価値(サービス提供)
・eラーニングと通学授業のメリット・デメリット
今回の記事では上記3点以外の部分を中心に紹介いたします。
目次
気になる実技授業、検討事項は?
実技授業のポイント① 模擬授業の実施内容や講師の質
実技授業において一番重視したいポイントは「模擬授業の実施内容」です。
日本語教師を目指す方にとって、いくら多くの知識があっても実際に教壇に立ってその知識をわかりやすく、そして効果的に教えることができなければ授業を実施するのも一苦労です。
教壇に立って、わかりやすく効果的に教えることができるかどうかは養成講座で学ぶ模擬授業にかかっているといっても過言ではありません。
また重要なのが、模擬授業を指導する講師です。
スクールによってはブランクのある講師や経験値の少ない講師が指導することもあります。入学してみないとわからないことも多いですが、入学前に授業見学が可能であれば見学をしておくことをオススメします。
実技授業のポイント② 模擬授業をどのようにして行うのか
特にスクールの特徴が顕著になるのが「模擬授業の実施方法」です。例えば以下のような違いがあります。
・クラス全員の前で行う or 少人数のグループワークで行う
・回数は多くないものの1回30分の模擬授業を実施 or 1回10分以下の模擬授業を多数実施
・毎回の模擬授業でゼロから教案を作成 or 回数が多いため教案はある程度フォーマットがあり少しアレンジを加える程度
・模擬授業後、クラスメイトや講師からのフィードバックがすぐにある or フィードバックは講師からの評価のみ
・模擬授業の録画サービスがあり、次回の模擬授業に活かすことができる
何を良しとするかは人それぞれです。
例えば日本語学校で勤務を希望する場合、大人数での指導技術が求められますし、
オンラインレッスン講師を希望する場合は、マンツーマン等ニーズに合わせた指導技術が求められます。
クラス全員の前で行う模擬授業の場合、日本語学校での指導がイメージしやすく、またクラスメイトからのフィードバックもあれば、共有される意見として自分では気がつかないような点も指摘してもらえ十人いれば十人の考え方があると知ることができます。
実技授業のポイント③ オンライン授業にも対応しているか
長引くコロナ禍でオンライン授業が定着しつつある今、ITスキルを駆使した授業の指導技術も求められるようになってきました。
スクールによっては、国内・国外のインフラ事情によりPowerPoint等を使用した模擬授業をNGとしていることもあります。
ですが、昨今のオンライン授業導入でやはりある程度のITスキルが就職活動時に求められることも事実です。
ITスキルに頼りすぎた授業も考えものですが、デジタル・アナログのバランスが取れた授業ができると理想です。
・PowerPoint等を使用した模擬授業ができるかどうか
・教室内にいる学生以外にオンラインで参加している学生もいるという環境かどうか(=ハイブリッド授業とも呼びます)
・Zoom等のオンラインツールを通じて、画面共有やブレイクアウトセッション等活用できる状況か
就職サポート内容は?
養成講座を通して、日本語の知識はもちろんのこと、その知識をどのように活かしていくのか実技授業で充分に学べば、次のステップとして待っているのは「就職活動」です。
スクールによって、就職活動のサポートは様々です。
・求人情報の紹介、斡旋
・海外インターンシップの紹介
・海外提携校の紹介
・就職活動セミナー、ワークショップ等の実施
・履歴書の添削、面接・模擬授業の指導
・OBの紹介
・個別カウンセリングの実施
スクールの立地や付帯設備は?
意外とポイントになるのが、スクールの立地や付帯設備です。
短くても半年程、長いと1年程そのスクールに通うことになります。
eラーニングやオンラインで受講できる回数が多いスクールであればそれほど重視しなくても良いかもしれませんが、やはり養成講座で通学はある程度必須です。
★立地
・自宅から通いやすい立地にあるかどうか
・駅からの近さ
・スクール周辺の環境(長時間学校にいることも多いため、コンビニやカフェ等休憩ができるような場所があれば理想)
★付帯設備
・自習室や模擬授業が練習できる貸出教室の有無
・デジタル授業もできるようなプロジェクター環境が整っているか
・授業プリントの印刷ができるようなコピー機やコンビニが周辺にあるか
・教室の広さ、快適さ
まとめ
ここまで、学校選びに参考になりそうな部分をまとめました。
多額の費用を支払って学びに行くのですから、しっかりと比較検討をしてご自身にとって一番良いと感じるスクールと出会えることを願っています。この記事をお読みいただいた方にとって少しでも参考になれば幸いです。