日本語教師を目指し勉強していく中で、ふと感じたのが「自分は今後、誰に日本語を教えていくのか」ということでした。
働く場所は日本?海外?など働く地域や就職に頭を悩ませている私。
でも「自分はどんな生徒に教えていくんだろう?」ということを、これまであまり考えて来なかったように思います。
そこで国内の日本語学校について調べてみることに。
すると「日本で難民を受け入れている」ことがわかりました。
シリア内戦によって多くの難民が出たのは皆さんご存知だと思います。国内や周辺国で暮らす人々の生活は厳しく、先進国で暮らすことを希望する方々もいました。
そんな難民を日本ではどのように受け入れているのか。気になったので調べてみることにしました。
日本にいるシリア難民って?
日本にも難民がいる
日本にも400人以上のシリア人が暮らしており、うち60人以上はすでに難民申請をしています。(中略)しかし、日本で難民認定を得られた人はわずか6人。欧米諸国と比較すると、極端に厳しい受け入れ状況です。(難民支援協会HPより)
シリア内戦で1,200万人以上の人々が住む場所をなくしました。そのうち半数以上は国内で生活し、残りの人々は周辺国での生活を余儀なくされています。
シリアという遠い国から日本が難民を受け入れていること自体、驚きだったのですが受け入れ状況が厳しいという課題もあるようです。
遠い日本に来るきっかけや理由も様々。
もともと日本を知っており避難先に日本を選んだ方もいれば、色んな国を回る中で日本を訪れた人もいます。
どんな風に受け入れられるの?
そもそも日本の難民制度では「個人への迫害」を認定の条件とし、きわめて限定的に難民を受け入れています。そのため「戦争から逃れた」ということでは要件を満たさず、難民として受け入れできる可能性が低いのが現状です。
そこで難民となった人に留学生として在籍を認めることで、政府が在留許可を出すことを可能にしたのです。学校では、昨年度から6人のシリア人の若者を受け入れてきました。入学金や授業料は全額免除しています。(NHKニュースおはよう日本より)
日本での受入方法としては「留学生として日本に在籍すること」。単に難民であるという理由だけでは。日本に滞在することが難しいのです。
日本での難民受け入れの課題とは?
現在、日本に難民を受け入れることは簡単なことではありません。
しかし他国では様々な工夫をしながら出来るだけ多くの難民を受け入れる施策を行っています。
厳しい選考基準の見直し
日本では選考が厳しく、受入人数もそう多くはありません。
しかし、ヨーロッパ各国では難民受入に柔軟な対応をしています。
欧州にたどり着いたシリア難民は現状でわずか7%とはいえ、2011年4月~2016年10月末までにドイツ45万人、スウェーデン10万人、オーストリア4万人、イギリス1万人など、各国への流入は決して少なくありません。たどり着いたシリア人のうち、例えば2015年にドイツでは100%、イギリスでは89%を難民として認定し、保護しています。当面、紛争終結の見込みがないことから、難民認定したシリア人全員に永住権を与え、すぐに家族を呼び寄せられるようにするといった特別な施策を講じるスウェーデンのような国も。(難民支援協会HPより)
このような他国での工夫を参考にし、日本でもできることがあるのではないでしょうか。
受け入れ体制の強化
申請の結果が出た38人は人道的な配慮により、一時的な在留を認められていますが、難民認定ではないため、さまざまな面で困難が生じています。
例えば、母国や難民キャンプに残した家族を呼び寄せられない、日本で生活を建て直す上で不可欠な支援がないなどです。(難民支援協会HPより)
難民認定された難民と不認定だった難民は、支援内容が大きく異なります。同じ国の同じ難民であっても、認定を受けることが出来なかっただけで支援は大きく違ってくるんですよね。
家族に会えない人、十分な支援を受けられない人が多くいます。
まとめ
いかがでしたか?
私がこれまで考えていた日本語教育は、学習環境や資金が十分にある生徒を対象にしていました。
しかし、今回このように懸命に生活をしながら学びの場を求めている日本語学習者がいます。そのことに気づけたのは、私にとって大きな収穫でした。
もし同じように日本語教師になりたいと思っている方がいれば、「誰に教えていきたいか?」ということを考えることも大切かもしれませんね。