日本語教師に必要なスキルシリーズ、今回は「自立心」です。
「大人になって、今さら自立心を育てる?」
「教師という立場上、当たり前のことじゃないの?」
そんなふうに感じる方もいるかもしれません。
でも、もし海外で仕事をすることになったら。
自分の常識や価値観と全く違う人間関係の中で、「自分なりに生きていく!」と自信のある方はどのくらいいるでしょうか。
というのも私自身、自分に自信がある方だったのですが、海外に行って自信をなくした経験があります。
当たり前のようで、あまり普段意識することのない「自立心」。
実際にどんなものがあるか具体的に見ていきましょう。
「自立心」とは?
定義
自立とは「自分以外のものの助けなしで、または支配を受けずに、自分の力で物事をやっていくこと」を指します。特に、海外の人と関わる仕事では文化やマナーも自分とは異なります。
コミュニケーションを取るときに言葉の壁にぶつかる方もいるかもしれません。そんなとき、自分の力でどう行動するかを考えることができる人を自立心がある人と呼びます。
「自立」という言葉だけを見ると「精神的自立」「経済的自立」「社会的自立」など様々な意味がありますが、今回取り上げるのは「精神的自立」です。
「自立心がある人」とない人の違い
では、自立心がある人とない人の違いを見てみましょう。
同僚
教師A
教師B
Aが自立心のある人、Bが自立心のない人というのは一目瞭然ですね。でも、実際の場面になると人は「相手に合わせてしまう」という行為をしてしまいがち。
自立している人は自分の気持ちを素直に伝えたり、断ることができます。
一方で、自立していない人は相手の意見に流され、自分のことはいつも後回しにしてしまう人。
もちろん時には相手に合わせたり、誘いに乗ることは悪いことではありません。でも、毎回それが続いているとしたら、少し行動を見直してみるチャンスかもしれませんね。
日本語教師における「自立心」
日本語教師の「自立心」が必要な場面
では、日本語教師にとって必要な場面を考えてみましょう。
- 他の教員とのやり取り
- 日々の授業運営
- 子どもたちとの会話
「自立心」と聞くと自分の内側だけの問題と思われることが多いのですが、人とのコミュニケーションにも大きな影響を与えています。
一緒に働く人たちとのミーティングや仕事上のやり取りで、なかなか自分の意見が言えないことはありませんか?周りの空気を読みすぎて疲れてしまう人もいるかもしれません。
自立心を育てていくことで、そのような人とのやり取りに不便を感じることが少なくなりますよ。
また将来、日本語教師になったときに生徒の見る目も変わります。
いつも周りの先生や生徒の意見に流されている先生と、自分の意見をしっかり持っている先生。
どちらに教えてもらいたいか?と考えれば、すぐに答えが出るはずです。
「自立心」の育て方
自立している人になるためには、色んな方法があります。
- 自分についてじっくり考えてみる
- 相手の立場にたって物事を考えてみる
- 自分のために何かをしてみる
まずは「自分をよく知ること」が自立への第一歩です。
意外に知らないことが多い自分自身のこと。
例えば、自分の本当に好きなもの・嫌いなものをどれだけ把握しているでしょうか?
これは好きな食べものといった話ではなく、「言われて嬉しい言葉」「教師として目指していること」「自分の得意・苦手なこと」といった部分です。
自分を知ることで相手との違いを理解し、どんなコミュニケーションを取るべきかが見えてきます。
また、普段人との関係を優先してしまう人は自分の時間を持ったり、自分のために何かするクセをつけてみましょう。
いつも家のことばかりしている。誰かの面倒を見ている。
友達や恋人との時間を優先してしまっている。
そんなときは「自分との予定」を入れるつもりで、スケジュールを立ててみるのも良いですね。
まとめ
いかがでしたか?
自分を深く知っていくことによって「自分が本当に大切にしたいこと」がわかると、自然と日々の選択も変わってきます。
なんとなく決めていた予定が自分が楽しむためのイベントになったり、ただの会話が自分の成長につながったり。
自立心を育てることは、日本語教師としてだけでなく人間的な成長にもつながっていきます。
「今すぐ自立しなくては!」と意気込む必要はありません。
日々のちょっとした場面で、そんなことを思い出してみてはいかがでしょうか。