日本語教師に必要なスキルシリーズ、今回は「問題解決力」です。
実際の授業現場では、養成スクールで学んだ内容をそのまま生徒に伝えるだけではありません。
生徒とうまくコミュニケーションが取れなかったり、授業内でも突然のハプニングが起こることもたくさんあるはず。
また、海外赴任であれば生活でも様々なトラブルに遭遇する可能性もありますよね。
そこで、日本語教師に必要な問題解決力や身につけ方をまとめてみました。
「問題解決力」とは?
定義
問題解決力とは、「目の前にある問題(課題)を理解し、それを解決していく力」です。
問題または課題解決力と呼ばれる力なのですが、単に解決する力と誤解される傾向があります。
しかし、本来は問題や課題を見つけ出し、的確に認識するという意味合いを持っています。
例えば、仕事で売上がよくないときに「何が原因だったのか?」と考えるか、「次こそ頑張ろう!」と気持ちだけでどうにかしようとするのでは、違いがありますよね。
「問題解決力」の具体例
では、問題解決力が必要となるシーンを見てみましょう。
上司
部下A
部下B
部下C
3人の部下のうち、一番問題解決力があるのはCの部下です。
部下Aは、全く問題を問題と感じていません。また、どこか他人事で自分で何かを解決しようとする気がなさそうですよね。
部下Bは、解決策を提示しており、一見良さそうに見えますが危険も多くあります。それは「問題をきちんと理解していないこと」でしょう。
告知が甘かったというのは、勝手な推測です。このまま行動してしまうと、余計な出費になる恐れや行動が無駄になる可能性もあります。
そこで、まずは問題をきちんと把握・分析するという行動を取ったのが部下Cです。
このように最初に課題を認識することで、そのあとの解決のための行動が、より効果的になりますよね。
日本語教師における「問題解決力」
日本語教師の「問題解決力」が必要な場面
では、実際の日本語教師の現場では、どのような問題が予想されるでしょうか。
- 生徒の理解度が低い
- 授業態度が悪い
- 授業の出席者・履修者が少ない
日本語教師の現場では「授業運営や学習者の増加」が課題になることが予想されます。
言語学習のうち、特に日本語は英語よりかなり難しい言語と言われています。意味が複数ある言葉が多く、ひらがな・カタカナ・漢字と覚えるべき基礎知識もたくさんありますよね。
そこで生徒がなかなか理解できなかったり、内容が難しく授業に意欲的に参加しない生徒がいるかもしれません。
そんなとき「勉強しない生徒が悪い」「分かりづらい教材が悪い」「レベルの低い生徒を受け入れる学校が悪い」など、他人やモノに責任転嫁していては問題は解決しません。
「どうすれば生徒にわかりやすい授業ができるのか」「生徒が理解できない理由は何か」など、問題を自分で探し、解決していくプロセスが重要になってきます。
「問題解決力」を育てるポイント
日本語教師の「問題解決力」の身につけ方は、以下の3つを意識してみることをおすすめします。
- 周りで起きている出来事に関心を持つ
- 全体と部分的な面をバランスよく見る
- 思考法や成功例を学ぶ
まずは、周囲にある問題や課題に敏感になることが大切です。
良くない結果や思い通りにいかないとき、「まあいっか」で済ましてしまいがちな人は、意識的に関心を持ってみましょう。
案外ちょっとした工夫をすることで解決できる問題がたくさんありますよ。
また「問題が大きすぎて取り組めない」「小さなことにこだわって解決までたどり着けない」という方は、バランスを意識してみるのもポイントです。
最終的にどんな結果が理想なのか意識しつつ、細かな部分にも配慮していくことで少しずつ解決法が見えてきます。
色んな問題や課題に取り組んでいくことで、難しいことがあれば新しい知識や成功事例を学ぶこともオススメですね。
まとめ
問題解決力と聞くと難しいことと思いがちですが、私たちは日常生活でも様々な問題を解決しながら生きています。
また、一人で問題解決できる人が問題解決力のある人ではありません。
問題や課題に合わせて、適切な人に頼って解決していくことも立派な行動の一つです。
視野を広く持ちながら色んな課題に向き合い、よりよい方向に物事を進めていく力を身に付けていきたいですね。